雑記

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英傑の実業家が本を書かない理由

起業家は著作を出したら下り坂の状態になったと、誰かが言っていた。また、自社のプロダクトが有名でないときに本を書くと、ただのタレント化するとも。これは必ずそうであるとは思わないが、相関があることも事実だろう。
実業家が著作を出すのは、だいたい60歳を過ぎてからだ。松下幸之助(継承は省略)しかり、稲森和夫しかり。経営の能力がピークに達したか(もちろん、それでも能力は凄まじいのだが)、ほぼ引退の状態かなど理由は考えられるが、ある意味自身がプレイヤーであることは終わったと感じての出版なのかもしれない。
また、現代だと著作を出してからWEBやSNSで炎上したり、企業の業績が下がったりとの実例もある。
そんな中で異彩を放つのが孫正義だ。昭和に誕生した日本ソフトバンクを一代で数兆円企業に成長させた。独断だが、生存している日本の実業家で実力ともに一番と言えるだろう。
 
もちろん孫正義の書籍は多い。しかし、彼の著作は存在しない。
あまりお金を使わない性格のようだ。もちろんビジネスに関連することと、家族に対しては湯水のように使うが、自分に対してはほぼ使わない。まさに、純粋であり理想像と言える実業家と言えるだろう。
 
そんな孫正義にあらゆる「知」の技法について書いてもらったら、どんなに心躍るだろうか。当面そんなことは起こらないだろうが、次世代を育てるフェーズにその気になったら間違いなく歴史に残る本になるだろう。
まずぼくが希望するのは、彼が高校1年生から日本ソフトバンク7年目あたりまでのダイジェストを読んでみたい。