世の中にある様々なコンテンツにおいて体験という視点では、時間が流れだしたら止まらないか、もしくは時間の縛りがないかのふたつに分かれると思う。
演劇や映画などは「時間の芸術」言われ、基本的に時間は逆行せず流れていく。なので、多少違和感があっても、次の展開が起こるためそれらは忘れられていく。もちろん、その違和感がないほど作品の完成度は高くなる。
書物や漫画、絵画などは演劇とは違い、見逃したところや確認したいところに戻ることができるため、時間の制約がない。
これを職業に置き換えて考えてみようと思う。
不可逆性な職業は、営業や接客業、交渉などの職業だと思う。一度言ったことや行動、体験されたものは巻き戻らないからだ。ある意味演劇に一番近いと思われる。こう考えると、その場のアドリブも大事だが、事前に設計やセリフ回し、反論に対する回答などの準備が重要かわかる。あとは、成功するまでにPDCAを回すしかない。
一方、可逆可能な職業は事務作業を含むクリエイター全般だ。自分が納得の行くまでつくりこめる。自分の手を離れてしまったら、ほとんどの状況を除き修正することは不可能だ。
その仕事の職能はなにかという視点で考えると、上記のように考えられる。その職能以上のことを望まなければ単一のスキルでいいかもしれない。
しかし、現実問題として出世や独立を目指すなら、可逆と不可逆の両方の技能が必要になる。営業でもクリエイターでも、ある種ものづくりをしているのに違いはない。とはいえ、まずはベースとなるスキルを磨くことが先決になるので、その先の話にはなるが。