雑記

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「読書の技法」佐藤優 書評

元外務省員、現在は著述家の佐藤優氏の著書。著者は、インテリジェンスと言われるほど、知識量が多く、その知の獲得方法のノウハウが書かれている。著者の外務省員時代の経験など、エビデンスとなるものも書かれており、説得力が高い。

佐藤氏の知の方法を一部紹介するものである。

 

本をどう読むか

本の読み方は、熟読、速読、超速読の3つにわけられる。

 

最初に熟度について。熟読は、その分野の基礎知識を獲得したいときの読書法だ。どの分野であってもん、それなりに専門家に近しい知識を身につけるためには、ある程度の時間を要する。なので、一ヶ月に熟読できる本は、3〜5冊に限られる。

そして、脳の役割と著者の経験により、何冊か熟読を経てその知識が使えるレベルになるには、3〜6ヶ月の時間を要する。

 

次に速読についてだ。一般的に、多くの人がしている読書が速読に近いと思われる。

速読は自分に必要な個所だけを読み、関係ないところは読み飛ばす読書法だ。とくにコンサルティングシンクタンクなどは、これを高度なレベルで日常的にしている。なので、本の2~3割ほど読めればよく、それを30分~1時間程度でこなす。

 

最後に超速読を説明する。この方法は、一冊を5分ほどで読む方法だ。なぜこの読み方をするかというと、自分が読むべき本を選別するためだ。何時間もかけて読んだのに、手に入った知識はほぼない、ということを防ぐ意味もある。

そしてこの方法は、読む本のジャンルに通暁していないと読むべき箇所と、読まなくていい箇所を判断できないため、専門でない分野では使うことは難しいだろう。

 

まとめ

なにか特定の知識を得るためには、読書しかない。WEBで情報はある程度拾えるかもしれないが、それだけで専門知識を得るのは難しいだろう。インターネット全盛期とはいえ、まだまだ情報としては玉石混合でとくに石が目立つ。であるならば、著者が見えていればリサーチの手間も省けるし、信用もおけるだろう。またネットメディアと違い、本自体にお金をかけてつくられているため、質の担保もされている。もちろん、本も玉石混合は否めないが。

ビルゲイツをはじめとして、知識人といわれる人は読書家だ。その道のトップ層ですらそうなのだから、私たちはより読書によって知識を得るべきだろう。