雑記

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なんとなくのあやうさ

ときどきどの業界が発展し儲かっているかと妄想するときがある。日本のような先進国は、産業が発達し新たな業界が生まれれば、その陰で斜陽産業になったり、業界そのものが消滅したりする。近年発展したIT業界は、日本だけでなく世界においても伸びつづけるだろうし、ITを取り入れない業界は消滅していくだろう。やはり時流を見極めるうえで、テクノロジーにアンテナを張っていることは必須能力ではないだろうか。あくまで、自分の専門性を獲得していることが前提となるが。

このような切り口をしたがITと関係なく、飲料業界、とりわけビール業界の話をしたい。以前、仕事で関わりのあった業界だ。風の噂では、ビール自体の原価は5円とも10円とも言われていた。そのときは、なんてぼろ儲けできる業界だろうかと羨ましく思った。独占している企業は、アサヒビール以外は財閥系であるし、やはり大企業が甘い汁を吸っているのだろうと、深くは調べなかった。

 

最近気になったので調べてみると、イメージと実態は違った。利益率はアサヒビールが6.8%ではあるが、業界4位のサッポロビールは0.9%である。製造工程のことを考えると、大規模な設備投資が必須であるし、全国の販売網も開拓しておかなければならない。競合他社より売上を伸ばすために、莫大な広告費も掛ける。そしてクレーム処理やカスタマーサービスの充実と、調べるほどコストが出てくる。そのうえで酒税法だ。一例だと、1キロリットルに対して、20万円の税金がかかる。居酒屋では20リットルを1万円くらいで取引されるので、内訳は4000円ほど(高い)。

たばこ税も昔と比べて高くなった。よく父親にお使いを頼まれたので覚えているが、小学生のころは150円だったものが、いまでは500円する。ちなみに発展途上国だと、いまでも同じものが50円で売っていたりする。こういう風にいつの間にか税金を上げてると思うと、言われなければ気づくはずがない。悪魔のマーケティングという本に「タバコなんざ、ガキや貧乏人に黒人、あとはバカに吸わせておけ」と書かれているように、ビジネスでも制度でも、は知らないほうが損をする構造だ。

 

結局、自分のイメージと実態はかけ離れていることが多いという事実を改めて実感した。わからないものを、恐らくこんな感じだろう、で済ましてしまうことが多いので、重要な知識だと思ったら明確に答えを出して、知識から知恵に昇華しなければならないと感じた一件である。専門性も、ブランドもこれらの積み重ねで出来上がっていくんだなあ。