【前半】に引き続き、書いていく。
DAY5
「若いからいまからでも大丈夫」「何歳でもやり直せる」と年配者は気軽にいうが、果たしてそうか。筆者はそうは思わない。たしかに、晩年になって成功した例は存在する。が、成功した理由は、晩年まで継続していて、あとは認知されるだけだった場合だ。ゴッホも宮沢賢治も、相当の才能がありながら認知されなかったため、生前はまったく評価されず貧乏なまま亡くなった。
一応、最近の晩年で成功した人物を紹介する。スーザン・ボイルという歌手だ。彼女の才能が発掘されたのは49歳のときだ。この年まで夢を諦めないこと、そして才能を維持することが、すべての人々に当てはまるだろうか。その当時の才能がYouTube動画で見れるので、ぜひ見てほしい。そして本当に再現可能か想像してみてほしい。
人生のピーク年齢は存在する
「経営にも、明らかにピークというものが存在する。
それは、26歳くらいから30歳に達するまでの、たった数年間だ。
ひとつのことを、それこそ4、5時間ぶっ続けで深く考えたりする能力というのはそこが頂点で、あとは徐々に衰えていくだけ。(中略)脳の瞬発力と回転数だけは仕方がない。これはスキルなんかじゃなくて、努力じゃどうしようもない肉体の問題なんだ」という。つまり、人生で一度しか訪れない、ただひとつの挑戦へのゴールデンタイムらしい。
このことばがなかったら、いまもぼんやり前職を続けていただろう。毎月決まった日に、ある程度の給料が振り込まれる安心感を享受し続けていただろう。それくらい、その文章を読んだだけで、自分の未来がリアルに想像できて恐怖した。
そしてそんな恐怖のなかから、ほんとうの勝負がはじまるという。盤面が詰んでいるように見える状況から「生き筋」を見つけ、生き残るのだと。
DAY6
「基本的なことだけれど、愛は自発性に表れる」
DAY7
VCで大事なことは、「与信積みゲー」らしい。成功を大きくするのは、運用益だと思いがちだが、土台となる与信がキーだという。最速で、そして大きい成果を上げるには、なにが一番効率的か。「ここのところがしっかり『見えて』いないと、絶対に大きな成功まではたどりつけない」のことばの通りだ。
そのことを表したのが、次のことばだ。
「初動の良し悪しで、その先の勝負はある程度決まってしまうんだ。
だから、本当にトップを目指したいと思っているなら、自分はいったいなんのゲームに参加しているのか正確に把握したうえで、勝負を始めるときから、成功までの道筋を丁寧に設計しなければならない。
けっして、何も考えずにただ努力したり、ラットレースにハマってはいけない」
本質を捉えなければ、上にはいけないことを物語ってる。
Just for Fun.すべては「楽しい」からはじまる。
ここからは筆者がいいと思ったことばを抜き出して書いた。
「今はもう、『面白かったからやっちゃったんだよね」だけで挑戦していい時代なんだ」
本当に大切なことを「1つだけ」やろう
「君はどうせ成功するんだから、早く挑戦して早く成功したほうがよくないか?」
「『やったほうがいいこと』は無限にあるけれど、ほんとうに目指すべきゴールから逆算して『今やらなければいないこと」というのは、実はものすごく少ない」
「ちっちゃい成功しかできなかった人間が、自分の現状を正当化するために偉そうに吐く『アドバイス』であふれている(中略)若い時期をあまり意味のない努力に費やしてしまうが、勉強も修行も準備も、そんなもの永遠に終わりなんて来ないぞ」
「他人が無責任に語る『やったほうがいいこと』に、人生を侵食されてはいけない。とっとと最短距離で一点突破して、君の人生をスタートアップさせろ」
痺れる現実を見る覚悟はあるか
現実から逃げるのは、じつは楽しい。夢を見続けるのは、自分がすごい人物であると誤解し続けて生きれるからだ。そういう風に生きられたなら、案外楽しいんじゃないかと思ったりする。
アンリ氏の話は難しさなどない。強制的に、自分の本音を自覚させられるだけだ。本当のことをいわれると、それを認めたくないがゆえに激怒する人がいる。それが嫌なら読むことはお勧めしない。
それでもなお、掴みたい「熱」があるなら、本書を読んで現実を直視するのも悪くない。熱源という名の「駅」の方向ぐらいまでは導いてくれるだろう。