特定の技術や知識を専門的なレベルで取得するには、一定以上の時間が必要だ。ある分野で一流と呼ばれるまでには、一万時間が必要と聞いたことがあるだろう。これはマルコム・グラッドウェル氏が著書「天才! 成功する人々の法則」にて、大きな成功を収めるには一万時間もの練習が必要だと提唱したことによるものだ。
専門家レベルまでになるには、時間が必要なのはわかる。そうなると必要な時間はどれくらいなのか気になるだろう。一日三時間で計算すると、およそ10年かかる。フルタイムで働くと仮定しても約5年かかる。
たしかに野球選手のイチロー氏や、ギタリストの村治佳織氏など、幼少期から時間を投下してきた人は成功している。これに間違いはないだろう。しかし、ビジネスマンにこの時間を捻出することは現実的なのだろうか。また、自分が得意でない、好きではないなど向き不向きも途中経過でわからないことも問題だ。では、どうしたらよいか。
なにかを上手くなるのは、20時間だけあればいい
米国の企業が主催する講演会「TED」に出演した作家のジョシュ・カウフマン氏はたいていのことは20時間で取得できるという。この理由はスキル取得の成長曲線にあるという。ある程度上手になるレベルに最初の20時間で達し、その後成長曲線はとても緩やかになるそうだ。
ポイントとしては、スキル取得になにが必要か論理的に理解し、20時間をマックスの集中力で取り組むことだ。そうすれば、ある程度上手なレベルには到達するようだ。これが本当なら、この時間で自分に向いているか、この物事に時間を投下する意味があるかなど判断の材料になることは間違いないだろう。
ひとつのことに5年、10年の時間をかけ、継続することは難しい。そもそも好きなのか、幸せを感じるか、向いているかなどの指針を決める前に継続を迫られても、うまく成長することおできない。なので、まずは20時間で判断基準をつくるのも遠回りではないだろう。
それで自分がこれだと感じるものがあったのなら、プロになる覚悟を決めて5年10年、淡々と技術を磨いていこう。